ユースケース 【use case】
概要
ユースケース(use case)とは、利用者があるシステムを用いて特定の目的を達するまでの、双方の間のやり取りを明確に定義したもの。利用者は機器を操作する人間以外にも外部の他のシステムなどを想定する場合もある。これとは別に、「活用事例」「モデルケース」などの意味で用いられることもある。情報システムやソフトウェアの設計や振る舞いの分析などで用いられる概念の一つである。利用者などの主体(「アクター」と呼ばれる)がシステムを用いて何かの機能を利用したり目的を達成しようとする際に、特定の状態からスタートしてどのような操作や応答が行われる(べき)かを記述する。
ユースケースはシステムの機能や要素と一対一に対応するとは限らず、一つのユースケースが行われる間に複数の要素を横断的に用いることもある。アクターが異なればユースケースも異なることがあり、一人のアクターが複数のユースケースを必要としたり、逆に一つのユースケースが複数のアクターで共有される場合もある。
ユースケースシステムは開発の初期段階で要求を明確化するために検討・記述されるのが一般的で、利用者やビジネス分析の専門家の視点から、対象システムをブラックボックスとして扱い、システムによって何をどのように行うのかを明らかする。
情報システムの専門家が関与して作成することは問題ないが、利用者が内容を理解できる形で作成しなければ意味がないため、システム上の専門用語や専門的な概念は極力用いないことが望ましい。また、この段階では過度に詳細化したり詳しい実装に立ち入るべきではないとされる。
システムの設計に必要な情報を図示する技法を定義した「UML」(Unified Modeling Lanugage)では、ユースケースを記述するための図法として「ユースケース図」(use case diagram)を定義している。開発現場でもこれを用いて図示することが多いが、各項目やフローの内容を箇条書きした表などの形で表すこともある。
(2024.2.25更新)
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 日本軍縮学会「軍縮研究」11巻1号「自律型致死兵器システム(LAWS)規制 ―多層的・多角的アプローチからの規制の試み―」(PDFファイル)にて引用 (2022年5月)
- 資源エネルギー庁委託調査 三菱総合研究所「平成22年度電力系統関連設備形成等調査 報告書」(PDFファイル)にて引用 (2011年3月)