多重度 【multiplicity】

概要

多重度(multiplicity)とは、物事が多重化されている度合い。分野によって具体的な意味は異なる。

一台のコンピュータで複数のプログラム(あるいはジョブスレッドプロセスなど)を実行する場合、同時に並行して実行する(ことができる)プログラムの数を多重度ということがある。また、一つのシステムを複数のプログラム利用者が同時に利用する場合、同時接続数やその上限を多重度ということがある。

通信の分野では、一つの伝送路や通信資源を複数の機器や伝送路で共有する多重化多重アクセス多元接続)をう際に、一つの伝送路をいくつに分割して同時に使用するかを多重度ということがある。

UMLクラス図の多重度

ソフトウェア設計の分野では、UMLクラス図で二つのクラス間の関連を定義する際に、一方のインスタンスリンクする他方のインスタンスの数を多重度という。関連を表す線分の両端に、それぞれの相手に対する多重度を書き入れる。

一つもリンクしない場合は0、リンクする数が決まっている場合はその数、不定の場合は「*」を書き入れる。上限をn、下限をmとする範囲を示す場合は「n..m」と表記する。例えば、「必ず一つ」は「1」、「必ず二つ」は「2」、「存在しないか一つ」は「0..1」、「一つ以上」は「1..*」などとなる。

(2023.8.30更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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