ER図 【Entity Relationship Diagram】 実体関連図 / ERD / ERダイアグラム

概要

ER図(Entity Relationship Diagram)とは、情報システムの扱う対象を、実体(entity)、関連(relationship)、属性(attribute)の三要素でモデル化する「ERモデル」を図示したもの。データベース設計などでよく用いられる。

システムが取り扱う対象とする現実世界の要素を抽象化し、名詞として表すことができるものを「実体」(エンティティ)として矩形で表す。実体は必ずしも物理的な存在とは限らず、情報や行為などでも構わない。

実体間の関係性を表す要素は「関連」あるいは「関係」(リレーションシップ)と呼ばれ、動詞として表すことができるものが該当する。図中では菱形もしくは矩形の間を結ぶ線分として表記される。

実体と関連は共にその性質を表す「属性」(アトリビュート)を複数持つことができる。属性は楕円で表し実体や関連と線分で紐付ける記法と、実体の矩形の中に列挙する記法がある。

多重度

また、記法によっては関連に多重度cardinality/カーディナリティ)を設定することができるものがある。二つの実体の関連が一対一、一対多、多対多といった対応関係になっていることを表す。

例えば、ER図の表記法の一つであるIE記法では、関連の末端部分に「○」(0を表す)「|」(1を表す)、鳥の足のような三股の枝分かれ(任意の複数を表す)の3つの記号の組み合わせで数を表記する。「|」のみならば「必ず一つ」、「○」と三股ならば「0を含む任意個」を表す。

記法の種類

ER図は1975年にマサチューセッツ工科大学(MIT)のピーター・チェン(Peter Chen)氏がERモデルと共に考案した。氏の提唱したオリジナルの記法は現在ではPeter Chen記法とも呼ばれる。

用途などに応じて微妙に表記法の異なる10以上の記法が考案され、様々な用途に使用されている。中でも有名なものとして、米国立標準技術研究所NIST)が規格化したIDEF1x記法(IDEF:ICAM Definition Language)、ジェームズ・マーティン(James Martin)氏が考案したIE記法(IE:Information Engineering)がよく利用される。

(2019.4.26更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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