共同レビュー【collaborative review】joint review
共同レビューとは?

システム開発を外部に委託する場合、委託先が作成した仕様書や設計書に発注元の要求が過不足なく反映されているかを確認する必要がある。共同レビューでは双方の担当者が同席して内容を検討し、合意が得られれば委託先は実際の開発作業に進むことができる。発注元と委託先に限らず、社内の情報システム部門と利用部門のように、立場や利害の異なる組織間で行われる場合もある。
片方の立場の人間のみで確認を行うと、思い込みや知識不足から誤りを見落とすことがある。立場の異なる人同士で確認することで、記述漏れや仕様の矛盾、利用者側からの問題点といった、単独では気づきにくい不備を発見しやすくなる。また、顧客と開発者では専門知識の差があるため、文書だけのやり取りでは意図が正確に伝わらないことがある。共同レビューは、互いの理解を一致させる場としても機能する。
実施のタイミングは、要件定義や基本設計が完了した節目が多い。問題が発覚が後工程になるほど修正コストは大きくなるため、早い段階で認識を合わせておくことが開発全体の効率につながる。契約条件によっては、初期段階だけでなく複数の工程にわたって実施されることもある。
進め方は会議形式が一般的で、事前に双方が文書を読んで疑問点を整理しておき、当日一項目ずつ確認しながら修正すべき箇所を洗い出す。指摘内容は議事録に記録され、後日の修正作業に反映される。確認項目をチェックリストとして整理しておくと、指摘のばらつきを抑えやすい。参加者が多すぎると論点が散漫になるため、目的に応じた参加者の選定も運用上の課題となる。
共同レビューには、品質向上以外の効果もある。経験の浅い担当者が他者の指摘や議論を通じて設計基準を学ぶ機会となり、特定の担当者だけが内容を把握している状態を避けることで業務の属人化を防ぐことができる。指摘はあくまで成果物の改善を目的とするものであり、作成者個人の評価とは切り離して運用することが重要である。