プランニングポーカー 【planning poker】
概要
プランニングポーカー(planning poker)とは、ソフトウェアのアジャイル開発手法の一つである「スクラム」(scrum)で、作業項目の規模を見積もる手法の一つ。チームメンバーが集まって、各項目ごとに各自の思う規模を相対的な値として一斉に提示する。スクラムでは作業項目の定義を、利用者にとって何が可能になるかを表す「ユーザーストーリー」(user story)という単位で行う。ソフトウェアが実現すべき複数のストーリーが列挙された後、それぞれがどのような規模なのかを見積もるのにプランニングポーカーが用いられる。
プランニングポーカーでストーリーの規模を表す値を「ストーリーポイント」という。これはコストや工数、プログラムのコード行数のような具体的な何かを反映した定量的な値ではなく、挙げられた項目の中での相対的な大きさを表している。整数で表され、直感的に選択しやすいようフィボナッチ数列(1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 40, 61, …)の値から選ぶ方式を用いることが多い。
まず値の書かれた札やカードを人数分だけ用意し、メンバーが集合して各ストーリーについて一つずつポイントを検討していく。その際、各々自分が思うポイントの札を選び、トランプゲームのポーカーのように一斉に明らかにする。順番に発表しないのは他の人の意見に影響されるのを防ぐためとされる。
全員の値が一致すれば、それがそのストーリーのポイントとなる。一致しなければ、なぜその値を選んだのかを発表し(全員ではなく、最高点の人と最低点の人のみとすることが多い)、再び一斉に挙げる。全員の値が一致するまでこの工程を繰り返す。ポイントが大きすぎる場合には話し合いの上でストーリーを分割して再度見積もる場合もある。
(2022.11.18更新)