DOA 【Data Oriented Approach】 データ中心アプローチ / データ指向アプローチ

概要

DOA(Data Oriented Approach)とは、業務システムの設計手法の一つで、システムの扱うデータの構造や関係を定義し、それに合わせて処理や手順の流れを決めていく方式。

まず業務で扱うデータ全体をERモデルEntity-Relationship model)など何らかの手法でモデル化し、データベースやデータファイルの設計や構造などとして明確化する。プログラムはこのデータ群を業務手順に従って入出力、加工、保存する道具として設計実装される。

企業などが永続的に保存・管理するデータの種類や意味、形式などは比較的安定しており、これをシステム構造の基礎におくことで、業務内容や手順に変更があってもデータベース部分はそのままでプログラムのみを修正・置するといった更新がいやすくなる。

また、DOAでは具体的な処理内容やプログラム実装とは切り離してデータを定義・蓄積するため、様々なシステムや部門(野心的なプロジェクトでは全社・全システム)で共有される情報資産としてのデータ基盤構築することができる。一度データ基盤を整えれば、システムプログラムの追加や修正も局所的な変更で対応できるようになる。

DOAやそれに類似する考え方(DCEデータ中心工学、IE:インフォメーションエンジニアリングなど)は1970年代に広まったもので、それ以前は業務の流れや処理の手順などを中心にシステム設計するPOAProcess Oriented Approachプロセス中心アプローチ)が一般的だった。

これは業務の一部の手順を自動化する小規模なプログラム開発には適していたが、システムの規模や対象の範囲が広がると、データの形式や扱い方が部署やシステムごとに異なり整合性がないことが開発運用の効率悪化を招くようになり、データを中心に据えるDOAの考え方が脚光を浴びるようになった。

(2019.1.28更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
ホーム画面への追加方法
1.ブラウザの 共有ボタンのアイコン 共有ボタンをタップ
2.メニューの「ホーム画面に追加」をタップ
閉じる