読み方 : システムようけん

システム要件【system requirements】

概要

システム要件とは情報システムの開発において、そのシステムが備えるべき機能や満たすべき性能などの条件をまとめたもの。システムが何を実現できなければならないかを定義したもので、要件定義工程で策定される。
システム要件のイメージ画像

システム開発では、まず対象業務の現状を分析し、システム化後の業務手順や情報の出入りを明らかにする。これを「業務要件」という。業務要件を基に、それを実現するためにシステムが何をできなければならないかを定義したものがシステム要件である。

システム要件は「機能要件」と「非機能要件」に分けられる。機能要件データの登録や検索、画面の操作、帳票の出力など、業務処理のために直接必要となる機能を指す。非機能要件は処理速度や同時接続数などが該当し、性能や容量、セキュリティ可用性保守性など、機能以外で満たすべき条件や制約を指す。

近年ではクラウド環境での運用を前提とするシステムも多く、拡張性可用性、監視、バックアップ、障害復旧などの運用に関わる非機能要件の重要性が高まっている。具体的な検討事項の例として、利用者数の増減に応じてサーバの台数を調整できることや、障害発生時に短時間で復旧できることなどが挙げられる。

システム要件を定義する段階では、どのような技術や製品を採用し、機器やソフトウェア、クラウドサービスをどのように構成して実現するかといった詳細には立ち入らず、「システムが何をできなければならないか」という観点に限定して記述する。具体的な実装方式の検討は、要件定義の後に続く基本設計詳細設計の工程で行われる。

また、システム要件を整理する際には、各要素が業務要件のどの部分を実現するためのものかを意識することが求められる。この対応関係が曖昧な場合、業務上必要な機能が欠落したり、不要な機能を作り込んだりする原因となる。対応関係を明確にしておくことで、開発途中の仕様変更による影響範囲の確認や、完成後の受け入れ試験における確認も行いやすくなる。システム要件は、発注者と開発者の間でシステムの完成イメージを共有し、開発のゴールを合意するための基準ともなる。

(2026.7.4更新)
 

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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