システム要件 【system requirements】

概要

システム要件(system requirements)とは、システム開発の初期の工程で定義される、情報システムに求められる機能や性能などの要件。システムが何をどのくらいできなければならないかを定めたもの。

システム開発の初期段階では要件定義を行い、システムを導入する業務をどのように行うか、その中でシステムがどのような役割を果たすべきかを策定していく。最初に行われるのは業務プロセスの明確化で、対象業務の現状を分析し、システム化後に実現すべき業務の詳細な手順や情報の出入りを明らかにする。これを業務要件という。

業務要件が定義できたら、これを実現するためにどのような情報システムを開発すべきか、システムが何をできなければならないかをシステム要件として定義する。このうち、システムが備えるべき機能を定めたものを「機能要件」、性能や容量、セキュリティなど機能以外に満たすべき事項や制約を定めたものを「非機能要件」という。

システム要件を定義する段階では、何を使ってどのように実現するのかには踏み込まず、あくまで何ができなければならないかを記述する。実装方式の検討は次の設計フェーズで行われる。また、業務に対するシステム機能の過不足が生じないよう、システム要件の各要素が業務要件のどれを実現しているのかを意識して明確化すべきとされる。

(2021.9.5更新)