読み方 : ココモ
COCOMO【COnstructive COst MOdel】
概要

見積もりの仕組みは段階的である。まず、開発するプログラムの予測ソースコード行数を基準として開発規模を算出する。次に、プログラマの習熟度、製品に求められる信頼性、再利用可能な資産の量など十数項目に及ぶ補正係数(コストドライバ)を規模に掛け合わせ、必要な工数を導く。最後に、得られた工数を基に開発期間や要員配置を見積もる。
COCOMOは1981年、TRW社のバリー・ボーム(Barry W. Boehm)氏によって考案された。当時のソフトウェア開発の現場では、規模や難易度の異なるプロジェクトの工数を客観的な根拠に基づいて見積もる手法が乏しく、COCOMOはその課題に対する解決策として登場した。当初のモデルは、大型コンピュータ向けのウォーターフォール型開発を前提に設計されていた。
1995年、南カリフォルニア大学(USC)に移ったボーム氏は、システムの機能数や画面数から規模を測る「ファンクションポイント法」(FP法)や、設計と実装を繰り返し進める反復型開発の考え方を取り入れた後継モデル「COCOMO II」を発表した。これにより、オブジェクト指向開発など現代的な開発手法に対応した見積もりが可能になり、行数だけに依存しない規模評価が実現した。
2000年には、それまでに多くの開発プロジェクトから収集された実績データを反映した改良版「 COCOMO II.2000」が公開された。このモデルは、新規開発、既存システムの改修、商用パッケージの導入といった開発形態の違いに応じた見積もり方法も提供しており、ソフトウェア工学における工数予測の理論的基盤として、現在も研究や実務の場で参照されている。
(2026.6.22更新)