file:スキーム 【file: scheme】

概要

file:スキーム(file: scheme)とは、通信方式の種別などを表すURIスキームの一つで、そのコンピュータファイルシステム上のファイルディレクトリを表すもの。アプリケーションファイルを指し示すのに用いることがある。

URIスキームとは

インターネット上での資源の識別子や所在の表記には「URI」(Uniform Resource Identifier)という記法が標準的に用いられる。Webページの所在を表す「http://example.jp/」といった形式の「URL」(Uniform Resource Locator)もURI仕様の一つとされる。

URIの先頭部分は「スキーム」(scheme)という短いアルファベットの識別名で、指し示す資源の種類や、資源に到達するための通信手段などを表している。Webアクセスに用いる「http:」や「https:」がよく知られるが、これ以外にも様々な種類のスキームが用意されている。

file:とは

「file:」はURIスキームの一種で、オペレーティングシステムOS)のファイルシステムを通じてアクセスするファイルディレクトリの所在を指し示すものである。インターネット資源の管理や割り当てをIANAICANNの一部門)に登録された標準的なスキームの一つで、記法や構文はRFC 8089として標準化されている。

基本的な構文は「file://ホスト名/パス」で、ローカルファイルの場合は「file://localhost/パス」となるが、「localhost」は省略してもよく、スラッシュが3つ連続する「file:///パス」という表記がよく用いられる。

パスの表記は絶対パスで、ファイルシステムの最上位(ルート)から目的の資源までのディレクトリ階層をスラッシュ(/)区切りで記述する。ファイル共有を通じて他のコンピュータ上のストレージアクセスする際にはホスト名FQDN)を指定する。

Windowsの場合

Windowsパス表記は区切り文字バックスラッシュ(日本語版では円マーク)だが、URIとして表記する際にはスラッシュ区切りに改める必要がある。絶対パスの先頭はドライブ名であるため、「file:///C:/Windows/explorer.exe」のように表記する。

URIの一部としてそのまま表記できない記号や全角文字などはURLエンコードする必要があるため、「C:\Program Files\Windows NT」は「file:///Program%20Files/Windows%20NT」となる。ファイル共有UNC表記は「\\REMOTEPC\C$\Windows」のようにコンピュータ名と共有名で始まるが、これは「file://REMOTEPC/C$/Windows」のように表される。

(2024.8.27更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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