準委任契約

概要

準委任契約とは、企業などが外部に業務を委託する際の契約形態の一つで、(法律行為以外の)業務の遂行そのものを委託するもの。民法656条などで規定されている。発注物の完成を目的としない場合に選択される。

業務委託には「請負契約」と準委任契約がよく用いられるが、請負契約は仕事の完成を目的とし、受注者は委託された業務を完成・完了させて成果を発注者に引き渡す義務を負う。一方、準委任契約は定められた期間だけ業務を遂行することが目的で、仕事の完成の成果物の保証(瑕疵担保責任)などの義務は生じない。

成果を保証せず作業の遂行自体を委託する点では「派遣契約」にも似ているが、派遣の場合は発注者が作業者に直に指揮・命令できる一方、準委任契約で発注した仕事は受注者側の責任において遂行される。発注者が直接監督することは偽装請負となり違法となる。

なお、「準」のつかない「委任契約」は法律行為の実施を委託する契約のことで、弁護士と依頼人の間などで交わされるものである。弁護士資格のない者が委任契約を結んで法律行為を行うことは弁護士法で禁止されている。

(2020.12.3更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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