情報システム 【information system】 ITシステム / IT system / コンピュータシステム / computer system
概要
情報システム(information system)とは、情報を記録、処理、伝達するための仕組み。現代では、コンピュータやソフトウェア、ネットワークなどを組み合わせて情報を管理する「コンピュータシステム」あるいは「ITシステム」とほぼ同義として用いられる。IT関連の文脈であることが明らかな場合は「システム」と略されることが多い。「システム」(system)とは、様々な要素を組み合わせて全体としてある特定の機能を発揮する仕組みのことを指し、「情報システム」は情報を取り扱うために様々な要素をまとめて構築したシステムである。
この素朴な定義に照らせば、電子的手段に依らずに紙などを用いて情報を記録・管理する仕組みや、個人が所有・利用するパソコンなども情報システムの一種ということになるが、現代社会で一般に情報システムという場合には、企業や官公庁などの組織が事業や業務の遂行のために構築した、ある程度の規模の設備の集合体のことを指すことが多い。
狭義の情報システムは、コンピュータや通信機器などとそれらに付随する装置や備品(記憶媒体など)、コンピュータ上で実行するオペレーティングシステム(OS)やミドルウェア、アプリケーションソフトなどのソフトウェア、記憶装置に保管されるデータ、機器間や組織内外を結ぶ通信回線やネットワークなどの総体を指す。
広義には、これらの要素に加えて、開発や運用のための人員や組織、操作や管理のための手順や規則の体系(を書き表した文書類)など、情報やシステムを取り扱うための組織内の「仕組み」全体が含まれる。
情報システム部門
大企業など大きな組織が情報システムを導入・運用する際には、その調達や運用に責任を持つ専任の「情報システム部門」が設置されることが多い。本業の業務部門を補佐する間接部門の一部であり、俗に「情シス」と略されることがある。
企業にせよ、官公庁や教育機関、非営利団体にせよ、現代の組織運営や事業遂行に情報システムは欠かすことのできない役割を果たすようになっており、重要性は高まっている。専任の役員クラスの役職である「CIO」(Chief Information Officer:最高情報責任者)を置く組織も増えている。