フォワードエンジニアリング【forward engineering】
概要

新規にシステムを開発する場合、要求定義から仕様策定、設計、実装、テストへと進む流れが一般的であり、ほとんどの開発はこの手順に沿って行われる。しかし、それをフォワードエンジニアリングと呼ぶことは(当たり前すぎるため)少なく、この用語が用いられるのは、既存システムを刷新するリエンジニアリングの文脈である場合が多い。
「リエンジニアリング」(re-engineering)は、老朽化したシステムや保守が困難になったソフトウェアを、新しい技術や設計に基づいて置き換える作業である。この過程は大きく二つの工程に分けられ、一つは既存システムの実行プログラムや挙動を解析して設計や仕様を明らかにする「リバースエンジニアリング」(reverse engineering)であり、もう一つが、明らかになった設計情報をもとに新システムの設計・実装を進めるフォワードエンジニアリングである。
元のシステムの仕様書や設計書が十分に保管されている場合は、解析を挟まずにそれらの文書を起点として新システムの設計・実装を行うことができる。一方、ドキュメントが失われていたり内容が実態と合わなくなっている場合には、まずリバースエンジニアリングによって構造や機能を把握し、その結果をもとに新システムを構築する。いずれの場合も、設計情報に基づいて新規にシステムを開発する工程をフォワードエンジニアリングという。
ソフトウェア開発支援ツールやモデリングツールの分野では、設計モデルからプログラムコードやデータベース定義を自動生成する処理をフォワードエンジニアリングと呼ぶこともある。UMLのクラス図からソースコードの雛形を生成したり、ER図からデータベースのテーブル定義を作成したりする処理がこれに該当する。逆に、コードやデータベース構造から設計モデルを復元する工程はリバースエンジニアリングに当たる。