POA 【Process-Oriented Approach】 プロセス中心アプローチ / プロセス指向アプローチ

概要

POA(Process-Oriented Approach)とは、業務システムの設計手法の一つで、主に業務の過程や手順に着眼して設計を行うこと。主にシステム機能要件を定める際に用いられる。

業務の手順や工程を図などに書き表して定義し、それに合わせてシステムの挙動を決定していく。現実の手順に基いてシステムの動作を考えるため分かりやすく、設計工程を低コストで手早く済ませることができる。

特定部門の特定の業務手順をシステムに反映させることが主眼であるため、部署を超えた利用やデータの伝送、再利用などはあまり考慮されず、システム間でデータの重複や不整合が起こったり、接続や連携ができず全体最適化の妨げとなることがある。また、業務手順が変更されるとわずかな違いでも大幅な改修が必要になったり、データの連続性が失われたりすることがある。

一方、業務の内容を表すデータの構造や流れに着目し、データモデルの策定を中心に設計を行う手法を「データ中心アプローチ」(DOAData Oriented Approach)という。業務へのコンピュータ導入の初期(1970年代頃まで)にはPOAが一般的だったが、システムの規模や種類が増えデータ管理が重視されるようになるとDOAへの注目が集まった。

(2020.5.25更新)

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