プロトタイピング 【prototyping】 プロトタイプモデル / prototype model / プロトタイプ開発
概要
プロトタイピング(prototyping)とは、工業製品の開発手法の一つで、設計の早い段階から実際に稼働する試作モデルを作成し、その検証とモデルの再制作を何度も反復する手法。ITの分野ではソフトウェアやシステムの開発でこのような手法を用いることを意味する。解説 ITシステムやソフトウェアでは、利用者がどのような機能をどのように使いたいのか自身も明確には理解していない場合があり、最初に完全に仕様を確定してから開発に入ることが困難だったり、開発工程に入った後や完成後の修正、やり直しが頻発する場合がある。
プロトタイピングでは、要求を分析する初期の段階で、最低限の機能や操作画面を実装した原型(プロトタイプ)を用意して、業務に適用することを想像しながら操作してもらい、利用者の具体的な要求を引き出していく。プロトタイプの作成と検証を繰り返すことにより、次第にシステムに必要とされる機能・仕様が具体化・明確化していく。
利用者が早期から実際のシステムの利用状態を想像することができるため、開発者と利用者の間に生じる製品の完成形についての理解の齟齬を小さくすることができる。製品の種類や規模によっては開発期間の短縮やコスト低減の効果も見られる。
一方、初期のプロトタイプの機能や見た目、操作法などを漸進的に改善していく形となるため、根本的に異なる形態の方が適していたとしてもそのことに気付かないまま開発が進んでしまうことがある。また、大規模で複雑な製品だとプロトタイプの制作や修正に大きな負担がかかるため適用しにくいと言われる。
(2019.7.7更新)
「プロトタイピング」の関連用語
他の用語辞典による「プロトタイピング」の解説 (外部サイト)
資格試験などの「プロトタイピング」の出題履歴
▼ ITパスポート試験
【令7 問44】 システム開発の早い段階で,目に見える形で利用者の要求が確認できるように確認用のソフトウェアを作成するソフトウェア開発モデルとして,最も適切なものはどれか。
【平27秋 問38】 システム開発の初期の段階で、ユーザと開発者との仕様の認識の違いなどを確認するために、システムの機能の一部やユーザインタフェースなどを試作し、ユーザや開発者がこれを評価することによって曖昧さを取り除くシステム開発モデルはどれか。
【平27春 問35】 システム要件定義の段階で、検討したシステム要件の技術的な実現性を確認するために有効な作業として、適切なものはどれか。
【平22秋 問34】 システム開発を上流工程から下流工程まで順番に進めるとき、システムの利用者によるテストの段階で大幅な手戻りが生じることがある。
▼ 基本情報技術者試験
【令5修6 問38】 プロトタイピングモデルの特徴として,適切なものはどれか。
【平28修12 問50】 プロトタイプを1回作成するごとに未確定な仕様の50%が確定するとき,プロトタイプ開始時点で未確定だった仕様の90%以上を確定させるには,プロトタイプを何回作成する必要があるか。
【平27修7 問50】 プロトタイプを1回作成するごとに未確定な仕様の50%が確定するとき,プロトタイプ開始時点で未確定だった仕様の90%以上を確定させるには,プロトタイプを何回作成する必要があるか。
【平25修12 問52】 プロトタイプを1回作成するごとに未確定な仕様の50%が確定するとき,プロトタイプ開始時点で未確定だった仕様の90%以上を確定させるには,プロトタイプを何回作成する必要があるか。
【平25修7 問52】 システム開発の早い段階で,利用者が目に見える形で要求を確認できるように試作品を作成する開発モデルはどれか。
【平24修7 問53】 ソフトウェア開発手法の一つであるプロトタイピングの特徴の記述として,適切なものはどれか。
【平23修1 問52】 プロトタイピングの概念に関する説明として,適切なものはどれか。
【平22修12 問52】 ソフトウェア開発手法の一つであるプロトタイピングの特徴の記述として,適切なものはどれか。
【平22春 問50】 プロトタイプを1回作成するごとに未確定な仕様の50%が確定するとき,プロトタイプ開始時点で未確定だった仕様の90%以上を確定させるには,プロトタイプを何回作成する必要があるか。
【平21修6 問50】 ソフトウェアの開発手法であるプロトタイピングに関する記述として,適切なものはどれか。