スクラム 【Scrum】

概要

スクラム(Scrum)とは、ソフトウェア開発手法の一つで、チームが一丸となって仕事に取り組むための方法論を中心にまとめられた方式。少人数チームに適した迅速な開発方法論である、いわゆる「アジャイルソフトウェア開発」手法の一つ。
スクラムのイメージ画像

解説 スクラムでは開発作業は「スプリント」(sprint)と呼ばれ、1週間から1ヶ月程度に期間を区切って作業を行い、最後に成果の確認(レビュー)と開発作業の振り返り(レトロスペクティブ)を行う。また、スプリント中は毎日必ず短時間(15分程度)のミーティングである「デイリースクラム」(daily scrum)を行い、進捗の確認や調整を行う。

事前に要件や設計などを固めず徐々に完成度を高めていく適応型、反復型の開発プロセスであり、スプリントを何度も繰り返しながら機能の追加や品質の向上、不具合の解消、時には方針の修正を進めていく。毎回のスプリントレビューには顧客が参加し、開発チームと共に現状の確認と今後の方針のすり合わせが行われる。

スクラムでは、取り組むべき作業や事柄を「バックログ」(backlog)と呼ばれるリストに優先度順に掲載し、これをチームのメンバーがこなしていく。バックログは開発している製品に必要となる項目を列挙した「プロダクトバックログ」と、スプリントで実施すべき項目を列挙した「スプリントバックログ」がある。

スクラムチームには一般的な意味でのリーダーや管理者は置かないが、顧客の意志を反映して製品の方向性を定める「プロダクトオーナー」、チーム内外の調整(ファシリテーション)や外部との窓口となる「スクラムマスター」が置かれる。すべてのメンバーが主体性を持って行動し、チームに責任を負うことが期待される。

(2023.2.4更新)

他の用語辞典による「スクラム」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「スクラム」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
令1秋 問40】 アジャイル開発の方法論であるスクラムに関する記述として、適切なものはどれか。

▼ 基本情報技術者試験
令7修7 問39】 アジャイル開発手法のスクラムにおいて,開発チームの全員が1人ずつ “昨日やったこと”,“今日やること”,“障害になっていること” などを話し,全員でプロジェクトの状況を共有するイベントはどれか。
令7修6 問39】 アジャイル開発の手法の一つであるスクラムにおいて,決められた期間におけるスクラムチームの生産量を相対的に表現するとき,尺度として用いるものはどれか。
令7修1 問39】 アジャイル開発のスクラムにおけるスプリントのルールのうち,適切なものはどれか。
令6修12 問39】 アジャイル開発手法の説明のうち,スクラムのものはどれか。
令6修7 問39】 アジャイル開発手法の一つであるスクラムでは,プロダクトオーナ,スクラムマスタ,開発者でスクラムチームを構成する。スクラムマスタが行うこととして,最も適切なものはどれか。
令6修6 問39】 スクラムでは,一定の期間で区切ったスプリントを繰り返して開発を進める。各スプリントで実施するスクラムイベントの順序のうち,適切なものはどれか。
令6公 問12】 アジャイル開発手法の一つであるスクラムで定義され,スプリントで実施するイベントのうち,毎日決まった時間に決まった場所で行い,開発チームの全員が前回からの進捗状況や今後の作業計画を共有するものはどれか。
令6修1 問39】 スクラムチームにおけるプロダクトオーナーが責任をもつのはどれか。
令5修12 問39】 アジャイル開発のスクラムにおけるスプリントのルールのうち,適切なものはどれか。
令5修7 問39】 アジャイル開発手法の一つであるスクラムでは,プロダクトオーナ,スクラムマスタ,開発者でスクラムチームを構成する。スクラムマスタが行うこととして,最も適切なものはどれか。
令5公 問12】 アジャイル開発手法のスクラムにおいて,開発チームの全員が1人ずつ “昨日やったこと”,“今日やること”,“障害になっていること” などを話し,全員でプロジェクトの状況を共有するイベントはどれか。