スプリント 【sprint】

概要

スプリント(sprint)とは、「全力疾走する」「短距離走」などの意味を持つ英単語で、IT分野ではアジャイル開発手法の一つである「スクラム」(Scrum)における工程の反復単位のことを指すことが多い。

スクラムは反復型の開発手法で、一度に全体を開発しようとせず、小さな単位で計画と実装を繰り返し、少しずつ全体の完成度を高めていくというアプローチを取る。その際の反復の単位となるのがスプリントで、一般的には1週間から1ヶ月程度の期間で一回のスプリントを実施する。

スプリントは大きく分けて4つの工程で構成される。最初に「スプリントプランニング」を実施し、製品に最終的に必要とされる要素を列挙した「プロダクトバックログ」と前回のスプリントの結果を受けて、今回のスプリント中に実施すべき作業を「スプリントバックログ」として作成する。

開発作業に入ると、毎日同じ時間に同じ場所で15分程度のミーティングデイリースクラム」を開催し、前回からの進捗、目下の課題、次回までにすることなどをチーム内で確認、共有する。立ったまま簡潔に報告し合う形が望ましいとされ、込み入った要件がある場合は別に会議を開催する。

終盤には「スプリントレビュー」がわれ、製品の目指す姿である「プロダクトゴール」に照らし合わせて、現状の製品がどの程度実現できているか評価する。今回のスプリントで追加できた項目に焦点を当て、チームメンバーだけでなく発注者などの関係者も交えて評価をう。

最後に「スプリントレトロスペクティブ」を実施して一回のスプリントは終了となる。レトロスペクティブとは「振り返り」という意味で、製品「以外」の要素に関して検討をう。すなわち、個人やチームの能力や関係性、プロセスツールなどに関して、現状認識を共有し、課題や改善案などを出し合う。今回のスプリントについてうまくったことは何か、どんな問題があるか、次のスプリントで実施可能な改善策は何かなどを話し合い、チームの能力や開発効率の向上に繋げる。

(2021.10.23更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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