インスペクション 【inspection】
概要
インスペクション(inspection)とは、調査、検査、視察、査察などの意味を持つ英単語。ITの分野では、何らかの対象を精査したり監視・追跡することを指す場合が多い。ソフトウェアインスペクション (software inspection)
ソフトウェア開発におけるレビュー手法の一種で、仕様書やソースコードなどの成果物を人の目で見て不具合や問題点が無いか検証する作業をインスペクションという。
プログラムコードなどの成果物を、その開発工程に直接携わっていない第三者がインスペクタ(inspector)となって読み込み、事前に決められたチェックリストなどに基づいて欠陥や問題がないか精査する。
検証が終わったら司会者(モデレータ)を中心にミーティングを開催し、インスペクタが検証結果を開発者(オーナー)に報告する。インスペクタに数名を指名する場合もあるが、それぞれ一人で独立に作業を行う。
プログラムなどを実際に動作させてみる動的テストと対比して静的テストに分類される。動作するコードができる前の仕様書などの段階で行うことができ、また、動的テストでは検知できない潜在的な問題点を見つけることができる場合がある。静的テスト手法としては他にウォークスルーやピアレビューなどがよく知られている。
変数のインスペクション
プログラムのデバッグツールなどの機能の一つで、実行中のプログラム中の変数などの内容を表示できるようにするものをインスペクションという。
ブレークポイントやステップ実行などと組み合わせ、特定の実行状態において変数の内容がどうなっているか、処理の進行に伴ってどのように変化していくかを監視することができる。
ネットワークのインスペクション
ネットワークの分野では、ネットワークの境界などに設置されたルータなどの装置が、内外を流通するデータ(パケット)を監視することをパケットインスペクション、あるいは略して単にインスペクションという。
パケット内部のデータを解析し、外部からの侵入や攻撃、マルウェア流入などが疑われる不審なパケットを検出すると、破棄したり、相手先からの接続を遮断したり、管理者に通報したりする。