ステアリングコミッティ 【steering committee】 ステコミ / 運営委員会

概要

ステアリングコミッティ(steering committee)とは、大規模なプロジェクトなどで利害調整や意思決定を行なう、関係者の代表で構成された委員会組織。また、そのような組織の会合。

システム開発などの分野では、多数の企業が関係するプロジェクト、複数の部門にまたがる横断的なプロジェクトなどでよく置かれる。プロジェクト全体の進捗の確認や全体的な方針の策定や変更、現場レベルでの調整が難しい重要事項の折衝などが行われる。

また、社内で運営されるプロジェクトなどの場合には、プロジェクトマネージャが役員や部門長など上位の役職者に対してプロジェクトの進捗や問題点の報告を行い、部門間の対立などマネージャレベルでは解決が困難な課題や紛争などについて意思決定を求める会議を指す。

課題の先延ばしを防ぐため、ステアリングコミッティの開催は「月1回」「各工程の終了ごと」など頻度やタイミングを決めておくのが良いとされる。プロジェクトの規模や関係先の数にもよるが、参加者は多くても10人程度までに留め、実質的な議論に集中できる環境を整える。各関係先の代表者や決定権者などのキーパーソンが参加することが重要となる。

プロジェクト内の定例ミーティングとは異なり、プロジェクトの進行に関する細かな調整や関与は行わない。どのような種類や性質の課題についてステアリングコミッティにエスカレーション(escalation:上席の判断を仰ぐ)するかは事前にマネージャと関係者間で議論して決めておく必要がある。

なお、“steering committee” という語は、民主国家の議会で各党の指導者などが集まり、委員会や本会議の日程や議事、進行、院内の規則などを協議する会合のことを意味することもある。日本の国会でいう議院運営委員会に相当する仕組みである。

(2024.2.29更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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