受託開発 【contracted development】

概要

受託開発(contracted development)とは、顧客から製品の開発を請け負うこと。ITの分野では、顧客が業務で使用する情報システムソフトウェアなどの開発を受注することを指す場合が多い。

日本の官公庁や大手企業は自社の業務システムをオーダーメイドで独自に開発することが多く、また、実際の開発業務は自社内ではわずに専門の事業者に委託することが多い。このため、日本のIT業界では受託開発事業の占める割合が極めて大きくなっている。

大口の顧客から大規模なシステム開発案件を請け負う能力を持つ大手IT事業者は「システムインテグレータ」(SIer:System Integrater)と呼ばれ、主に顧客との窓口業務や要件定義設計といった上流工程を担当する。

SIer1次請け事業者)はプログラミングなどの下流工程を、より規模の小さい下請事業者(協力企業)に分割して発注することが多く(2次請け)、下請業者は実際の作業をさらに別の事業者に再委託する(3次請け)ことも多い。大規模な案件では、さらに4次請け、5次請け…というように分割再発注がピラミッド型に何段階も繰り返されることもある。

ODMによる受託開発

電子機器や消費者向け製品などの場合には、顧客企業が販売する製品の開発業務を請け負うことを受託開発という場合もある。

この場合、開発された製品は顧客自身が使うわけではなく、一般消費者など顧客の顧客(エンドユーザー)に向けて販売される。一般的には開発と製造をまとめて請け負う契約形態が多く、納品まで一括して請け負う事業者のことを「ODM」(Original Design Manufacturer)という。

(2019.9.3更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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