手戻り 【rework】

概要

手戻り(rework)とは、ある作業工程の途中で大きな問題が発見され、前の段階に戻ってやり直すこと。

その工程内では解消が難しいような問題があり、一つ(あるいは、深刻な場合はいくつか)前の工程から改めて作業をやり直すことを指す。例えば、製品の試作の段階になって、設計上の重大な欠陥が見つかり、設計段階からやり直すといった事象である。

システム開発などで、前の工程を完結させて次の工程に移るウォーターフォール型の手法では、手戻りが発生するとコストや時間を大きくロスするため、なるべく手戻りが発生しないよう各工程での検証を厳重になうことが求められる。

一方、同じ工程の繰り返し自体を正規のプロセスとみなし、何度も反復する中で次第に完成度を高めていく手法が用いられることもある。

前のサイクルで発見・発生した問題を次のサイクルで解消したり、新しい要求を次のサイクルで実現するなど、ある種の手戻り自体を開発工程の一部に取り込むことで、途中までの成果が無駄になることを避けている。そのような開発手法にはイテレーション型、スパイラル型インクリメンタル型、プロトタイピング型などの種類がある。

(2020.2.10更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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