A-MPDU 【Aggregation MAC Protocol Data Unit】
概要
A-MPDU(Aggregation MAC Protocol Data Unit)とは、無線LAN(Wi-Fi)のデータ伝送を高速化、効率化する手法の一つで、単一の無線ヘッダに複数のMACフレームを連結し、一度に複数のフレームを送信する方式。IEEE 802.11nで導入された。Wi-Fiでは有線のイーサネット(Ethernet)と同じデータの送受信単位であるフレーム(MACフレーム)を単位とし、一度の送信動作で一つのフレームを送り出すが、無線通信の効率化のため、複数のフレームを併合して一度に送り出す「フレームアグリゲーション」(frame aggregation)が考案された。
A-MPDUはその具体的な方式の一つで、通常は「無線ヘッダ+MACフレーム」という構成で行う一回の送信を「無線ヘッダ+MACフレーム+MACフレーム+…」という具合に最長64KBまで複数のMACフレームを連結して行う。送信回数が減ることで無線ヘッダの伝送時間や送受信制御のための待ち時間を削減できる。
一方、連結の単位をMACフレームではなくペイロードとするアグリゲーション方式は「A-MSDU」(Aggregate MAC Service Data Unit)という。A-MPDUはフレームの数だけMACヘッダやFCSが付随する分伝送効率は落ちるが、データの受け取り確認(ACK)や欠損時の再送をMACフレーム単位で行うことができる利点がある。
(2023.11.6更新)