ガードインターバル 【guard interval】 ガード区間
概要
ガードインターバル(guard interval)とは、無線通信の品質を向上させる手法の一つで、伝送する符号が切り替わる際に短い無通信の時間を設けること。また、そのような符号間に挟まれる無通信時間のこと。無線通信では電波の反射などの影響で、同じ信号がいくつもの異なる経路を通って届く「マルチパス」(multipath)という現象が起こる。経路が異なると到達時刻もずれるため、受信側には同じ波形が時間的に少しずつ後ろにずれたものが複数重なり合った状態で信号が届く。
このマルチパスの効果により、符号の切り替わりの瞬間に前後の符号の状態が重なり合って正しく受信できない状態が生じる。これを避けるために付加されるのがガードインターバルで、符号の伝送が終わってから次の伝送が始まるまでの間に空白時間を設け、重なりが解消した状態で信号の復調を行なう。
ガードインターバルの間に受信した信号は受信側では無視されるが、ガードインターバル終了直後の波形に影響が出ないよう、後続の符号を元に生成した信号を送り続け、後続符号の始まりが乱れないよう調整する。ガードインターバルが長いほど信号の品質は高まるが伝送効率は落ち、短いほど品質は落ちるが効率は向上するというトレードオフの関係にある。
(2022.2.9更新)