WiGig 【Wireless Gigabit】 IEEE 802.11ad / 11ad
概要
WiGig(Wireless Gigabit)とは、無線LANの伝送規格の一つで、周波数60GHz(ギガヘルツ)前後のミリ波帯の電波を利用して、10m程度までの距離にある機器間で最高7Gbps(ギガビット毎秒)に及ぶ高速なデータ伝送が可能なもの。ミリ波帯の電波は広い帯域幅で高速に通信できる反面、直進性が高く減衰も激しいため、同じ室内で見通しの効く10m程度までの距離を接続する用途に限られる。一方、60GHz帯はこれまであまり活用されてこなかったため、世界の多くの国で免許不要で広い周波数帯を利用でき、混信や干渉の影響も少ないというメリットがある。
最初の規格は2009年に、米インテル(Intel)社や米マイクロソフト(Microsoft)社らが結成した業界団体Wireless Gigabit Alliance(WiGigアライアンス)によって策定され、2012年にIEEE 802.11adとして国際標準化された。同年、同団体は無線LAN技術の標準化を推進するWi-Fi Allianceと合併し、現在はこちらが対応機器の認証プログラムなどを主催している。
IEEE 802.11acに続く高速なWi-Fi規格として普及するかに思われたが、当初期待されたほどには機器の対応が進まず、従来のWi-Fi規格と同じ2.4GHz帯や5GHz帯を利用するIEEE 802.11axが新世代の本命規格として浮上している。
(2019.4.11更新)