直接拡散方式 【DSSS】 Direct Sequence Spread Spectrum

概要

直接拡散方式(DSSS)とは、スペクトラム拡散の方式の一つで、拡散符号あるいは疑似ノイズと呼ばれる高周波の一見ランダムな信号と元の信号を合成することで、広い周波数帯に直接的に信号を拡散する方式。

送信したい信号に対して、それより何十倍も高速な周期(周波数)で0と1が切り替わる乱雑なデジタル信号(PN符号)を乗算して送信する。信号は広い周波数帯域に拡散し、一見ノイズにしか見えないが、送信時に使用したPN符号を用いて逆変換すると、変調前の信号を取り出すことができる。

複数の通信主体がそれぞれ異なるPN符号を用いることで、互いに干渉することなく同じ周波数帯域を用いて同時に通信することができる。周波数ホッピング方式と異なり信号強度は常に低いまま保たれるため、通信の秘匿性が高い。

直接拡散方式はIEEE 802.11bなどの一部の無線LANWi-Fi)伝送規格や、携帯電話CDMA方式、GPS衛星から発信される電波信号などに利用されている。

(2018.5.12更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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