Wi-Fi Enhanced Open
Wi-Fiオープンネットワークはアクセスポイント(AP)に誰でも認証なしで接続して通信することができ、施設が来訪者に提供する公衆Wi-Fiサービス(Wi-Fiスポット)などで利用されてきた。従来の仕様では認証だけでなく暗号化も行われないため、第三者がAPと端末が送受信する電波を傍受して通信内容を覗き見することができた。
Wi-Fi Enhanced Openでは認証なしで接続できる点は従来と変わらず、利用者にとっての手間や操作手順に変更は無いが、接続時にDiffie-Hellman鍵交換と呼ばれる手順で暗号鍵を交換し、以降の通信を暗号化することができる。登録利用者しか接続できないクローズドな無線ネットワークと同等の暗号化を行い、通信の盗聴を防ぐことができる。
Wi-Fi Enhanced OpenはWi-Fi Allianceによって2018年に発表された。2017年にIETFによって標準化されたOWE(Opportunistic Wireless Encryption:日和見無線暗号化)と呼ばれる仕様に準拠している。端末とAPの両方が対応している場合に利用でき、OWEによる暗号化接続のみ受け付けるモードと、旧仕様にしか対応していない端末から暗号化なしでの接続を受け付ける移行モードが用意されている。
(2023.1.22更新)