読み方 : ティーダブリューティー
TWT【Target Wake Time】
概要
TWTとは、無線LAN(Wi-Fi)の省電力機能の一つで、アクセスポイント(AP)と各端末が通信を行うタイミングを個別に取り決め、通信の予定がない時間帯は端末の無線回路を休止状態に保つ仕組み。IoT向け規格のWi-Fi HaLow(IEEE 802.11ah)で初めて導入され、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)以降の規格にも採用されている。

従来のWi-Fiにも省電力機能は存在していた。しかし、その方式はAPが傘下の全端末を一定間隔で一斉にウェイクアップさせるものであったため、その時点で送受信データがない端末も強制的に起動させられていた。消費電力の削減効果は限定的であり、特に小型バッテリーで長期間動作するIoT機器では課題となっていた。
TWTではAPと各端末が事前に通信スケジュールを個別に交渉・合意し、その端末専用のウェイクアップタイミングを設定する。端末は合意したタイミング以外はスリープ状態を維持でき、同じAPに接続する他の端末の通信状況に影響されない。起動する回数と時間が最小限に抑えられるため、バッテリー駆動の機器において高い省電力効果を発揮する。
TWTには省電力化のほかに、無線通信の効率を高める効果もある。多数の端末が同時に通信を試みると電波の競合が生じやすいが、APが各端末の送信タイミングを分散させることでこれを抑制できる。特に、少量のデータを一定周期で送信するセンサーやスマートメーターなどのIoT機器との相性がよい。
Wi-Fi 6ではAPと端末が一対一で通信予定を決定する方式のほか、複数端末に共通のスケジュールを割り当てる方式も規定されており、多数の機器が混在する環境での運用に対応している。利用にはAPと端末の双方がTWTに対応している必要がある。
(2026.6.10更新)