Wi-Fi Direct 【Wi-Fiダイレクト】
概要
Wi-Fi Direct(Wi-Fiダイレクト)とは、Wi-Fi(無線LAN)の通信モードの一つで、固定的な無線アクセスポイントを介さずに端末同士が直に接続しあって通信するモード。多くの対応機器は一対一の接続のみ対応するが、仕様上は3台以上のグループ内の相互接続もできるようになっている。Wi-Fi端末を即席のアクセスポイントとして振る舞わせる機能で、伝送方式や暗号化、認証などの仕様は既存のWi-Fi諸規格を踏襲する。接続するいずれかの機器がWi-Fi Directに対応していれば、残りの機器は通常のWi-Fi通信に対応していればよい。
例えば、Wi-FiアクセスポイントやWi-Fiルータのない場所にWi-Fi対応のプリンタとスマートフォンがある場合、従来ならば両者をWi-Fiで接続することはできなかったが、いずれかがWi-Fi Directに対応していれば、もう一方を接続してスマートフォンに保存された写真をプリンタで印刷することができる。
通常のアクセスポイントへの接続と同様、SSIDとパスワードを用いた認証により接続できるほか、WPS等の専用のプッシュボタン、NFC(近距離無線通信)、PIN(暗証番号)などによる認証に対応した機器もある。接続確立後はWPA2等、通常のWi-Fiの暗号化方式で通信が保護される。
通信方式そのものは通常のWi-Fi接続と変わらないため、Bluetoothなど類似の技術に比べ通信速度が高速で接続可能な範囲も広い。業界団体のWi-Fi AllianceではWi-Fi Direct対応機器の認定を行っており、相互接続試験にパスした端末には「Wi-Fi CERTIFIED Wi-Fi Direct®」ロゴマークの掲示が許可される。
(2019.8.15更新)