レイク受信 【rake reception】
概要
レイク受信(rake reception)とは、無線通信の受信感度を向上させる技術の一つで、反射や回折などで複数の経路を通じて届いた電波を一つに合成する方式。携帯電話や無線LAN(Wi-Fi)で用いられている。“rake” とは「熊手」(レーキ)のことで、複数の経路からの電波を「かき集める」様子を表している。電波が空中を伝わる過程で、地形や障害物の影響により反射・回折し、受信機に位相や時間のずれた複数の信号として届くことがある。これを「マルチパス」(multipath)と呼び、波形が乱され信号が劣化する原因となる(マルチパスフェージング現象)。
レイク受信ではパスの異なる信号をそれぞれ受信し、基準となる信号からの時間的なズレを算出して位相を揃え、一つの信号に合成し直す。これによりフェージングによる波形の乱れが補正され、直接波のみを利用する場合より信号の強度が増してノイズにも強くなる。
(2022.9.6更新)