シリアル通信 【serial communication】 シリアル伝送 / serial transmission / 直列伝送 / シリアル転送
概要
シリアル通信(serial communication)とは、1本の信号線や回線を使って1ビットずつ順番にデータを送受信する伝送方式。これに対し、複数本の信号線などで一度に多くのデータを送受信する方式を「パラレル通信」(parallel communication)あるいは「パラレル転送」「パラレル伝送」(parallel transmission)などという。パラレル通信方式と比較すると、信号線が片方向1本ずつの一対2本で済むため、複数の信号線間の送受信タイミング(クロック)の同期が不要で、周囲の環境からの電磁ノイズ対策もしやすく、信号線や端子間の混信や干渉(漏話)も少ないという特徴がある。
公衆回線を経由するような長距離の通信はほとんどシリアル通信なため、シリアル方式であることが意識されることは稀であり、パラレル方式も混在するコンピュータ内部の伝送路や本体と周辺機器の接続などでよく用いられる用語である。
コンピュータ関連では「USB」や「IEEE 1394」(FireWire/i.LINK)、「Serial ATA」(SATA)、「InfiniBand」、「PCI Express」、「Serial Attached SCSI」(SAS)、「Fibre Channel」などがシリアル方式である。
コンピュータ内部のチップ間や、電子機器(組み込み機器)の内部では「SPI」(Serial Peripheral Interface)や「I2C」(Inter-Integrated Circuit)、「ModBus」、「JTAG」、「1-Wire」なども用いられる。
シリアル方式の通信インターフェースを「シリアルポート」(serial port)あるいは「シリアルインターフェース」(serial interface)と言う。単にシリアルポートといった場合には、かつてパソコンで標準的に用いられていたRS-232Cポートやその派生・後継仕様(RS-422やRS-485など)を指すことが多い。現在のシリアル方式の接続端子は「USBポート」のように具体的な規格名で呼ばれるのが普通である。
(2024.2.8更新)