UWB 【Ultra-Wideband】 超広帯域無線 / ウルトラワイドバンド
概要
UWB(Ultra-Wideband)とは、数百MHz以上に及ぶ極めて広い周波数帯域を使用する無線技術。商品電力が低く、同じ周波数帯を他の通信方式と併用できる特徴があり、通信だけでなくレーダーや測位にも応用できる。電波の送出と休止を極めて高速に切り替えると、時間軸で見た波形は正弦波から離れて尖ったスパイク状の信号(インパルス)が並んだ形になるが、これを周波数軸で見ると、極めて広い範囲の帯域にノイズのような弱い信号が並んだ形となる。
広帯域に広がったインパルス信号は障害物に遮られにくい特性があるため、イルカやコウモリの音波による反響定位(エコーロケーション)のように高精度の測位や探査に応用することができる。この用途では軍事用レーダーや災害時の人命探索などに応用され、高精度の屋内測位技術としても期待されている。
また、信号の密度を上げれば室内程度の近距離に限って高速な無線通信が可能で、10m程度の距離で数百Mbps(メガビット毎秒)の通信が可能とされる。2000年代半ばにはIEEE 802.15.3aやWireless USBなどの通信規格策定に向けた動きが起こったが、参加企業間の思惑の違いなどからいずれも不調に終わり、UWBベースの通信方式は未だ広く普及するには至っていない。
(2019.7.13更新)
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 総務省 東北総合通信局「山間部における広域センサーネットワークの構築に関する調査検討会」(PDFファイル)にて引用 (2009年3月)