WPA2 【Wi-Fi Protected Access 2】
概要
WPA2(Wi-Fi Protected Access 2)とは、無線LAN(Wi-Fi)上で通信を暗号化して保護するための技術規格の一つで、WEPの後継として広く普及した方式。また、通信機器などが同規格に準拠していることを認定する認証制度。業界団体のWi-Fi Allianceが運用している。旧版の「WPA」は、無線LANのセキュリティについて定めた国際標準である「IEEE 802.11i」のドラフト(標準案)を元に策定されたが、WPA2は同規格の完成版を元にしている。WPA2対応製品同士はメーカーや機種の違いによらず共通の方法で暗号化機能を利用できる。
暗号化の方式として新たに「AES」(Advanced Encryption Standard)暗号を用いた「CCMP」(Counter mode with CBC-MAC Protocol)を採用している。この通信モードは「WPA2-AES」と呼ばれ、最長256ビット(AES256)までの強力な暗号鍵を利用できる。
WPA同様、事前共有鍵(PSK:Pre-Shared Key)を用いる個人・家庭・小規模事業所向けの「WPA2 Personal」(パーソナルモード/WPA2-PSK)と、IEEE 802.1X標準に基づくRADIUS認証サーバにより利用者や端末の認証を行う、大規模事業所向けの「WPA2 Enterprise」(エンタープライズモード)の二つを選択できる。
歴史
2004年9月にWi-Fi Allianceが発表した規格で、2002年に発表された初代のWPA規格とほとんどの仕様は共通となっている。TKIPなどWPAの仕様をそのまま用いる互換モードも用意されているため、WPA2対応機器は古いWPA対応の機器とも通信することができる。
2006年からはWPA2に対応しなければ無線LAN機器の「Wi-Fi CERTIFIED」認証を得られないようになっており、以降のすべての認定機器が対応している。2017年には「KRACK」と呼ばれる攻撃手法が発見され、各社は脆弱性を修正するファームウェアの更新などで対応している。2018年には後継の「WPA3」規格が発表され、新しい機種で移行が進みつつある。