WPA3パーソナル 【WPA3 Personal】

概要

WPA3パーソナル(WPA3 Personal)とは、Wi-Fiセキュリティ規格「WPA3」に用意されたモードの一つで、個人や家庭、小規模事業所などで利用するための仕様。端末認証に事前に設定したパスフレーズを使用する。

WPA3Wi-Fi機器間で安全に接続・通信できるように定められた技術規格で、無線アクセスポイントAP)が端末認証する方法や無線通信暗号化する方式について定義している。利用環境に応じて個人向けの「WPA3パーソナル」と、企業など組織内ネットワーク向けの「WPA3エンタープライズ」の二つの仕様を用意している。

WPA3パーソナルは個人宅などの小規模ネットワークでの利用を想定したモードで、利用者は使用開始時にAPSSIDパスフレーズを設定し、端末側にも同じSSIDパスフレーズ入力して接続する。AP端末は一定の手順でパスフレーズが共通であることを確認し、暗号鍵を導出して通信を開始する。この手順は「SAE」(Simultaneous Authentication of Equals)と呼ばれ、WPA3で新たに導入された。

パスフレーズは128文字までのASCII文字半角英数字・記号)で設定する。AP製品の中には工場出荷時に個体ごとに異なるSSIDパスフレーズ既定値として設定してあり、利用者端末にこれを入力するだけで利用を開始できるものもある。

SSIDパスフレーズの設定、端末への入力は初心者にはハードルが高いため、QRコードの読み取りで簡単に設定作業を完了できる「Wi-Fi Easy Connect」が新たに導入された。WPA2まで用いられた「Wi-Fi Protected Setup」やメーカー各社の独自仕様(AOSSなど)はWPA3パーソナルでは利用できない。

(2024.3.24更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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