読み方 : マルチエスエスアイディー

マルチSSID【multiple SSID】multi-SSID

概要

マルチSSIDとはWi-Fiアクセスポイント(AP)やWi-Fiルータが一台で複数のSSIDを設定し、同時に運用できる機能。SSIDごとに伝送方式や暗号化方式を変えられるため、機器の世代やセキュリティ要件に応じて接続先を使い分けたり、用途別にネットワークを分離することができる。
マルチSSIDのイメージ画像

通常のAPは一台につき一つのSSIDを割り当てて運用するが、マルチSSIDに対応した機種は、複数の異なるSSIDを同時に発信し、それぞれを独立したネットワークであるかのように振る舞わせることができる。内部的には一台の機器が複数の仮想APとして動作する形で実現されている。

SSIDには伝送方式(Wi-Fi 5/6/7など)や周波数帯(2.4GHz帯/5GHz帯/6GHz帯)、暗号化方式(WEP/WPA/WPA2/WPA3)を個別に割り当てられる。これにより、同じ一台の機器でありながら、性質の異なる複数の無線ネットワークを並行して提供することが可能になる。

例えば、パソコンやスマートフォンなど高度な暗号化方式に対応した機器には最新の安全な接続方式のSSIDを割り当て、旧世代の通信規格にしか対応していない携帯ゲーム機や一部のIoT家電には、それに合わせた旧式のSSIDを用意して接続させるといった使い分けができる。対応規格の異なる機器が混在する環境でも、各機器に適した形で接続を提供できる。

マルチSSIDは、用途別にネットワークを分離する目的でも利用される。社内の業務用端末が接続するSSIDと来客用端末が接続するSSIDを分け、来客のアクセスを業務用ネットワークから隔離する運用や、家庭内で家族の機器用とIoT機器用のSSIDを分けて管理する運用が見られる。こうした分離には、特定のSSIDに接続した端末を他のネットワークから隔離する「プライバシーセパレータ」などの機能が併用されることも多く、社内サーバや家庭内の重要な機器への不正アクセスを防ぐ効果がある。

(2026.6.26更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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