さらし端末問題 【exposed node problem】

概要

さらし端末問題(exposed node problem)とは、無線通信などで、自分とは別の相手と通信している近隣の機器の信号との干渉を回避するため、過剰に送信の抑制が行われてしまう問題。

互いに離れて通信できない距離にある機器XとYがあり、それぞれ同じ無線周波数帯(チャンネル)を用いて機器A、Bが通信している(XとA、YとBが通信している)場合を考える。

このとき、AとBの距離が近いと、お互い別の相手と通信しているにも関わらず、互いに相手の信号伝送は送信を開始しないよう発信の抑止が頻繁に行われるようになり、伝送速度や通信品質が大きく低下してしまう。

XとYが互いの信号を検知できる距離にあれば、通信に用いるチャンネルが重複していることに気が付き、動的に別のチャンネルに移るといった制御を行うことができるが、XとYが離れている状況でそのような制御を行うことは一筋縄ではいかない。

似た問題に、互いに相手の通信を検知できない関係にある複数の機器が、同じ機器に向けて同時に信号を送信してしまい、信号の衝突(コリジョン)が発生してしまう「隠れ端末問題」(hidden node problem)がある。

(2022.8.3更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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