VDSL 【Very high-bit-rate Digital Subscriber Line】
概要
VDSL(Very high-bit-rate Digital Subscriber Line)とは、電話回線にデジタル信号を流して高速なデータ通信を行うxDSL(Digital Subscriber Line)技術の一つで、短距離を非常に高速に通信できる仕様。xDSL(DSLとも呼ばれる)は公衆交換電話網などで用いられる音声通話用の通信回線(メタル回線)を利用し、低周波の音声信号に重ねて高い周波数のデジタル信号を伝送する技術である。アナログ電話回線で高速なデータ通信を可能とし、光ファイバー回線が未整備な状況では有力なインターネット接続手段となる。
VDSLでは一対(2本)の信号線を用い、数百メートル程度の距離を下り(利用者にとって受信)最高100Mbps(メガビット毎秒)、上り(同送信)数十Mbpsの速度で通信することができる。最高30MHz(メガヘルツ)までの高い周波数帯域を利用するため、距離による信号の減衰が大きく、線路長が概ね1kmより長い場合はADSLのほうが高速になると言われる。
一部のFTTH(光ファイバー通信)サービスで、集合住宅向けの補助的な通信手段として、建物内部の通信にVDSLを用いる方式(通信事業者の局舎から建物までは光ファイバー回線を利用する)がある。また、インターネットの普及する前に建てられたホテルなどで、内線電話網を利用して各客室に高速インターネットサービスを提供する手段として使われることもある。
(2022.5.26更新)