基地局 【base station】 ベースステーション / 無線基地局 / wireless base station / BTS / Base Transceiver Station / ワイヤレスベースステーション / 携帯電話基地局 / cell tower

概要

基地局(base station)とは、移動する無線通信機の中継拠点として地上に固定的に設置された通信設備のこと。一般的には、携帯電話サービス・移動体データ通信サービスのために通信事業者(携帯電話キャリア)が設置している通信施設のことを指す。

基地局は携帯電話回線網の末端で加入者の端末と無線により交信を行う設備で、基幹回線網へ繋がる通信回線(一般的には有線だが衛星回線や指向性の無線回線の場合もある)と、端末と電波で通信するためのアンテナが設置されている。各端末は電波の届く範囲にある最寄りの基地局と無線で通信し、他の端末や通信網などへの通信を中継してもらう。

一つの基地局が無線で通信できる範囲を「セル」(cell)あるいは「セルラー」(cellular)と呼び、遮蔽物のない平地では円形となる。一般的な携帯電話規格では半径数キロメートルの「マクロセル」(macro cell)が用いられるが、小出力の設備で半径数メートル~数百メートルをカバーする「スモールセル」(small cell)を用いる方式もある。

端末との間が地形や人工物で遮られると電波が届きにくくなるため、アンテナ部は鉄塔や電柱の上や建物の屋上など見通しのきく場所に設置される。大きなビルの奥や地下、トンネルなどは地上の基地局からの電波が届かないことがあるため、特に人の多い場所では内部の天井などに小出力の特殊な基地局が設置されている場合もある。

各基地局のカバーする範囲を繋ぎ合わせた領域がその無線通信サービスを受けられる範囲となり、「通話エリア」「サービスエリア」などと呼ばれる。どの基地局の電波も届かない場所は通話・通信ができない「圏外」と呼ばれる。人口の多い場所や人の活動が盛んな場所では、通話エリアに切れ目が生じないように一定の距離毎に基地局が設置されている。

(2018.3.15更新)

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