ping値【ping speed】 ping rate

概要

ping値（ping speed）とは、ネットワーク上で目的の機器との通信にかかる応答時間のこと。pingコマンドによって計測され、通常はミリ秒(ms：1/1000秒)を単位として表示される。

ある特定の機器に対して短いデータを発信してから相手の応答が着信するまでの時間を計測したもので、目的地までの通信経路をデータが往復するのにかかる所要時間を表している。「ラウンドトリップタイム」（RTT：Round-Trip Time）あるいは「レイテンシ」（latency：遅延時間）とも呼ばれる。

一般に、通信速度は単位時間あたりに送受信できるデータ量で評価され、「bps」（bits per second：ビット毎秒）などの単位で表されるが、同じ通信速度でも、相手方までの物理的な距離や伝送媒体、途中の中継機器の数や性能などによってデータが到達するのにかかる時間は変化する。

いくら通信速度が高速でも、ping値が大きい通信回線では双方にとって相手の発したデータが届き始めるまでの待ち時間が大きくなるため、双方向性のある映像や音声による通話や会議、対話的に操作するオンラインゲームなどの用途では細かなタイミングのずれ（ラグ）が生じて体験が悪化することに繋がる。

ping値の名称の由来は、コンピュータ上で一般的に用いられるネットワーク管理用のプログラム（コマンド）の一つである「ping」（ピング）である。相手方のIPアドレスを指定してpingコマンドを実行すると「198.51.100.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =5ms TTL=117」のようなメッセージが表示され、この「時間」として表示される値をping値と呼ぶようになった。