ベストエフォート型 【best efforts】

概要

ベストエフォート型(best efforts)とは、商用サービスの品質や契約条件などで、提供者側は品質について努力はするが保証はしないとする方式のこと。

ITの分野では、通信サービスやサーバホスティングサービスなどでよく用いられる考え方で、事前に謳った機能や性能について「最大限の努力」(best efforts)はするが、結果の保証や未達成の場合の補償などは行わない。

平常時に通常想定される使い方をしているときは額面通りの性能を享受できるが、提供者側の明白な瑕疵に拠らない何らかのトラブルや異状(外部要因による回線の突発的な混雑など)により品質が大幅に下がったり、一時的に利用不能、サービス停止に陥ることがありえる。

品質を保証するための予備の設備、余裕のある人員、運用体制などを必要としない分、高い性能や充実した内容のサービスを廉価に提供することができる。品質の低下や一時的な停止が大きな損害に繋がりにくい個人向け、一般消費者向けの通信サービスなどでよく用いられる。

これに対し、あらかじめ最低限保証する品質などの条件を提示して、どんな事態でも必ずこれを遵守できる体制を整え、守れなかったときは損害を補償するといった規定を定める契約方式を「ギャランティ型」(guaranteed service)という。品質の保証を求める企業や官公庁向けのサービスでよく用いられ、表面的な仕様や性能がベストエフォート型と同じでも料金は割高になる。

(2024.1.17更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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