SIMカード【Subscriber Identity Module card】SIM card
概要
1990年代に日本以外の世界各国に普及した第2世代(2G)携帯電話システム「GSM」(Global System for Mobile Communications)規格で導入された仕組みで、不揮発性の半導体メモリを内蔵した数cm角の薄いプラスチックカードに電話番号、カードの識別番号(ICCID)、加入者の識別番号(IMSI)などを記録することにより、端末とは独立に加入者情報を管理することができる。
カードは端末の外装に設けられた専用の差込口(SIMカードスロット)に容易に着脱でき、複数の端末を切り替えて使用したり、一つの端末を複数の契約で共有することができる。新機種への買い替えや故障などによる交換の際も新しい端末にカードを入れ替えるだけでよい。
日本では第2世代のPDC方式が端末に契約情報を内蔵する方式だったため、キャリアごとに対応機種が分かれていたが、世界的にはキャリアが発行するのはSIMカードだけで、利用者は契約とは独立に販売店で好きな携帯電話端末を購入して利用することができた。
第3世代(3G)携帯電話でも同じ仕組みを実現するため、後継規格の「UIMカード」(User Identity Module)あるいは「USIMカード」(Universal SIM)と呼ばれるICカードの規格が策定されたが、一般的には「SIMカード」をこれらを含む総称として用いる(UIMカードもSIMカードと呼ぶ)ことが多い。日本でも3G以降のサービスではUIMカードによる契約情報の管理が導入されたが、2010年代になるまでキャリアによる対応機種の固定化(SIMロック)は続いた。
miniSIMカード (ミニSIM/2FF SIM:2nd Form Factor SIM)
オリジナルのSIMカード規格のサイズ・形状はクレジットカード大(8.6cm×5.4cm)で、1FF SIM(1st Form Factor SIM:第1世代形状のSIM)とも呼ばれるが、初期の自動車電話などで限定的に利用されただけである。現代では単にSIMカードと言った場合には、このカードからICチップ部分のみを切り出した、2.5cm×1.5cmサイズのminiSIM(ミニSIM)のことを指すのが一般的である。
microSIMカード (マイクロSIM/3FF SIM:3rd Form Factor SIM)
端末の小型化に伴い導入されたUIMカードの形状についての規格で、カードサイズが1.5cm×1.2cmに小型化されている。金属端子の形状や通信仕様、データの記録形式などは共通のため、サイズを補正するだけの簡易なアダプタにより通常のSIMカード(miniSIM)として利用することもできる。
nanoSIMカード (ナノSIM/4FF SIM:4th Form Factor SIM)
microSIMよりもさらに小さなサイズを求める機器向けに策定された極小のUIMカードの規格で、1.2cm×0.9cmのもの。表面の金属端子のサイズと同じであり、片面の全体が端子に覆われている。端子形状や通信仕様、データの記録形式などは共通のため、サイズを補正するだけの簡易なアダプタによりmicroSIMやminiSIMとして使用することができる。
「SIMカード」の関連用語
他の用語辞典による「SIMカード」の解説 (外部サイト)
- ウィキペディア「SIMカード」
- 大塚商会 IT用語辞典「SIMカード」
- 日経 xTECH Networkキーワード「SIMカード」
- ケータイ用語の基礎知識「microSIM」
- JIPDEC 情報ライブラリー 用語集「SIMカード」
- NTT西日本 ICT用語集「SIM」
- NTTドコモ docomo business Watch IT用語集「nanoSIM」
- ネットワークエンジニアとして「SIM」
- ITパスポート用語辞典「SIMカード」
- くみこみックス「SIM」
