スモールセル 【small cell】
通話エリアを形成する大出力のマクロセル(macrocell)を補完するもので、地形や建築物の影響で最寄りのマクロセルの電波が届きにくい場所をカバーしたり、外からの電波が届きにくい建物の内部に設置されたりする。
ビル街や地下街、ビル内部などに設置される、半径数mから数十m程度の範囲をカバーする基地局を「ナノセル」(nanocell)あるいは「ピコセル」(picocell)と呼び、店舗や事務所、一般家庭などに設置する、半径数mから10m程度までをカバーする基地局をフェムトセル(femtocell)という。
マイクロセル (microcell)
一基のPHS基地局がカバーする半径数十~数百メートルの範囲のことをマイクロセル(microcell)という。
一般的な携帯電話の基地局のカバーする半径数百メートル~数キロメートルよりも小さいため、一基あたりの利用者数が少なく、混雑が発生しにくい。電波出力も小さいため、PHS端末は小型・軽量化や省電力化しやすく、周囲へ発する電磁波も小さい。
ただし、通話エリアを展開・維持するのにより多くの基地局が必要で、高速移動中の基地局の切り替え(ハンドオーバー)もしにくい。
ナノセル (nanocell/ピコセル/picocell)
携帯電話基地局の種類の一つで、通常の基地局を補完するために用いられる、数mから数十m程度の範囲をカバーする小出力の基地局のこと。また、そのような基地局がカバーする範囲。
通話エリアを形成する大出力のマクロセル(macro cell)を補完するスモールセル(small cell)の一種で、マクロセルの範囲が半径数kmに及ぶのに対し、ナノセルやピコセルは数mから数十m程度の範囲をカバーする。
地形や建築物の影響で最寄りのマクロセルの電波が届きにくい場所をカバーしたり、外からの電波が届きにくい建物の内部や地下街、トンネルなどに設置されたりする。
「ナノ」(nano)「ピコ」(pico)はSI単位系でそれぞれ10-9倍、10-12倍を意味する接頭辞だが、出力や範囲の大きさがマクロセルに比べてそのような大きさであることを示しているわけではなく、単に通常より小さいことを表している。
ナノセルとピコセルの区別は曖昧で、ほとんど同じものとして扱われることが多いが、用途や通信方式などで区別する場合があるほか、通信事業者によってどちらか一方の呼称のみを用いていることがある。
アドオンセル (add-on cell)
通常の広い範囲をカバーするセルの範囲内に、小出力の基地局を設置して小さなセルを重ね合わせたものをアドオンセルという。大きなセルの内部にいくつもの小さなセルを設置することで携帯電話ネットワークを高密度化することができる。
同じ範囲を複数の基地局がカバーすることになるが、それらを異なる周波数帯で運用することにより、基地局と端末の間で同時に複数の周波数で通信することができる。通信速度を高速化したり、いずれかが混雑していても通信の途絶を防ぐことができるようになる。