サイバーフィジカルシステム 【CPS】 Cyber-Physical System
コンピュータ上に現実世界の一部をモデル化したサイバー空間(cyberspace)を構築し、現実の物理世界(physical space)からセンサーなどで取り込んだデータを反映させる。モデルを利用して未来予測やシミュレーションなどの処理を行い、目的の結果が得られるよう機器を制御したり人間に働きかけて現実世界に結果をフィードバックする。
例えば、自動運転システムは目的地までの地図データや現在地のデータ、センサーが捉えた視界前方の観測データをリアルタイムに取得している。これを車体と前方空間をモデル化したシステムに反映させ、次の瞬間にどのような制御を行えば良いか判断し、アクセルやブレーキ、ハンドルなどを操作している。
自動運転車のように単体の機械単位のシステムだけでなく、仮想空間内でモデル化した工場でシミュレーションを繰り返して機械の配置や制御を最適化する施設単位のシステムや、電力消費量をリアルタイムに収集して送配電システムの制御に反映させる社会規模のシステムなどもある。
工場のシミュレーションのように、仮想空間内に現実世界の対象をモデル化して再現したものを「デジタルツイン」(digital twin)という。機器やシステムを連携させて構築する仕組みにはセンサーや制御システムがネットワークで結ばれていることが重要であり、「IoT」(Internet of Things:モノのインターネット)がその重要な構成要素となる。
(2023.1.11更新)