PRI 【Primary Rate Interface】 一次群インターフェース
概要
PRI(Primary Rate Interface)とは、ISDN回線の構成の標準規格の一つで、4線式のメタル回線や光ファイバー回線での高速な通信を想定したもの。通信速度は1.544Mbps(日本など)あるいは2.048Mbps(欧州など)。日本ではNTTグループの「INSネット1500」などの通信サービスで用いられた。1本の物理的な通信回線を複数の論理的なデータ伝送路(チャネル)に分割して独立に通信する方法の標準を定めたインターフェース規格の一つで、日本や北米では高速デジタル専用線のT1規格に相当するものが、ヨーロッパなどではE1規格に相当するものが用いられる。大企業やインターネットサービスプロバイダ(ISP)などの業務用の通信サービスとして提供された。
日本のINSネット1500などで用いられる構成は全体の容量が1544kbpsとなるT1相当のインターフェースで、これをデータ用の「Bチャネル」(64kbps)23本と制御用の「Dチャネル」(64kbps)1本の「23B+D」に分割する構成や、Bチャネル6本分の「H0チャネル」とBチャネルをそれぞれ複数束ねDチャネルを加えた「mH0+nB+D」(m、nは整数)に分割する構成、全体の一つの「H1チャネル」(H11チャネル)として使用する構成などがある。
欧州などでは全体が2048kbpsとなるE1相当のインターフェースが用いられ、Bチャネル30本とDチャネル2本の「30B+2D」、全体を一つのH1チャネル(H12チャネル)とするものなどが用いられる。
一方、ISDN回線の構成のうち、アナログ電話と同じ2線式の銅線の通信回線(メタル回線)での利用を想定したものは「BRI」(Basic Rate Interface)という。Bチャネル2本とDチャネル1本の「2B+D」などの構成で用いられ、日本では一般家庭や小規模事業所向けの「INSネット64」で用いられた。
(2024.4.1更新)