シリアルポート 【serial port】

概要

シリアルポート(serial port)とは、1本の信号線で1ビットずつ順番にデータを送受信するシリアル伝送方式で通信するためのケーブル差込口(ポート)のこと。単にシリアルポートといった場合はかつてパソコンの標準的な周辺機器接続端子の一つだったRS-232C方式のD-Sub9ピンのポートのことを指すことが多い。
シリアルポートのイメージ画像

通常シリアルポートといった場合は、1980~90年代のPC/AT互換機などのパソコンで標準的に用いられていた、RS-232Cなどの標準規格に基づく周辺機器を接続するための端子を指す。当初はD-Sub 25ピンのコネクタ形状が一般的だったが、後に、より小型のD-Sub 9ピンのものが広く普及した。

通信速度は数百bps(ビット毎秒)から最高でも57.6kbps(キロビット毎秒)程度であり、人間の操作をコンピュータに伝える入力装置など伝送量が少ない機器の制御などには十分だが、ストレージ装置のようなまとまった容量のデータを伝送する必要がある機器の接続には不向きである。

パソコン本体とマウスやプリンタ、モデムを接続するのに用いられたほか、産業機器では計測装置やバーコードスキャナ、機器間を繋ぐフィールドバスなどにも使われた。ルータやスイッチなどのネットワーク機器やUPS無停電電源装置)などをパソコンから操作する用途では、2000年代に入りUSB機器が主流になった後でも使われていた。

なお、広義のシリアルポートはシリアル方式で信号を伝送する通信ポート全般を含み、USBやSATA(Serial ATA)、IEEE 1394、イーサネット(Ethernet)なども含まれることになるが、これらは通常それぞれの規格名で呼ばれ、(原理上シリアル伝送であるという以外に)技術的な共通点や互換性もないため、シリアルポートと総称することはほとんどない。

(2025.8.11更新)

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