RS-422【Recommended Standard 422】
概要

RS-422の技術的な特徴は、2本の信号線の電圧差によってデータを表現する差動信号(平衡伝送)方式を採用していることである。1本の信号線と基準電位との電圧差で通信するRS-232Cとは異なり、外部からの電磁ノイズの影響を受けにくく、長距離・高速通信に適している。
伝送速度と通信距離はトレードオフの関係にある。ケーブル長が約1.2mの近距離では最高10Mbps(メガビット毎秒)の通信が可能で、100kbps(キロビット毎秒)程度まで速度を落とせば最長1.2kmまでの伝送ができる。実際の通信可能距離や速度は、ケーブルの品質や周囲の電気的環境によっても変化する。
接続構成は1対1の接続が基本で、送受信用に別々の回線を用いた全二重通信にも対応している。また、1台の送信機に最大10台程度の受信機を繋いで1対多の片方向通信を行うマルチドロップ構成も可能となっている。コネクタ形状の規定はないが、D-Sub 9ピンやD-Sub 25ピンが実質的な標準として使われてきた。RS-232Cとは電気的仕様が異なるため直接の互換性はないが、両規格に対応した機器や変換回路を備えた製品も存在した。
1980〜90年代には、一部のパソコンなどでプリンタやイメージスキャナ、アナログモデムなどの周辺機器接続用インターフェースとして採用された。米アップル(Apple)社がMacintoshシリーズがシリアルポートにRS-422を採用したことで、同社製品との周辺機器接続の標準として普及した時期もある。その後、USB(Universal Serial Bus)など高速で利便性の高い規格が普及したことで、一般のコンピュータ用途からは姿を消した。
RS-422を基礎として発展した上位規格に「RS-485」がある。これは複数の送信装置を同一回線に接続できるマルチポイント通信に対応しており、現在でもFA機器やPLC(Programmable Logic Controller)、ビル管理システムなどの産業分野で利用されている。RS-422自身も、高いノイズ耐性と長距離伝送が求められる計測機器や放送機器の内部通信などで引き続き使用されている。