COMポート 【COM port】 communication port
概要
COMポート(COM port)とは、PC/AT互換機が備えるシリアルポート(RS-232Cポート)のMS-DOSやWindowsにおける呼称。「COM1」から「COM9」までの符号が予約されている。1980~90年代のパソコンには、標準の入出力端子としてRS-232C規格によるシリアル通信を行うコネクタ(D-Sub9ピンあるいはD-Sub25ピン)を複数搭載するのが一般的で、モデムなどの周辺機器を接続するのに用いられた。
MS-DOSではシリアルポートに対して「COM1」「COM2」…「COM9」という符号を対応付けて識別したことからCOMポートと呼ぶようになり、Windowsにもこれが引き継がれた。初期の機種では「COM1」~「COM4」の4つが、パラレルポートやPS/2ポートなど他の接続方式の普及後は「COM1」と「COM2」の2つを備える機種が一般的となった。
本体に備え付けのシリアルポートだけでなく、USB-シリアル変換コネクタなどで増設されたポートなどもソフトウェア上はCOMポートに対応付けられる。コンピュータからシリアルポートが廃止されて久しい現在も、「COM1」から「COM9」は予約デバイス名としてファイル名やディレクトリ名に用いることはできない。
LPTポート
シリアルポートと同じように周辺機器の接続に用いられたパラレルポートのMS-DOS/Windows上での識別名もあり、「LPT」および「LPT1」~「LPT9」が用いられる。
パラレル方式の接続端子(セントロニクス仕様/IEEE 1284)はもともとラインプリンタ(line printer)を接続するのに用いられていたことからこのような略号になった。パラレルポートは一つしか無い機種が多かったため、「LPT」という数字の付かない識別名が使われることが多かった。
(2023.12.5更新)