シングルボードコンピュータ 【SBC】 Single Board Computer
基板上にCPU(マイクロプロセッサ/MPU)やメインメモリ(RAM)、ストレージ、チップセット、入出力端子などを実装された小型コンピュータで、画面出力やネットワークインターフェースなどを備えたパソコンなどに近い仕様の製品もある。
Linuxなど汎用のオペレーティングシステム(OS)が動作するよう設計されていることが多く、ネットワーク上でサーバとして動作させたり、Pythonなどのスクリプト言語でハードウェアの入出力制御を行うことができる。
もともとは産業機械の組み込みシステムで制御用コンピュータとして使われていた製品などがこのように呼ばれており、その場合はより簡素な仕様でリアルタイムOSなど特殊なソフトウェア環境を有するものが多い。
近年では「Raspberry Pi」(ラズベリーパイ)などパソコンやスマートフォンなど汎用の小型コンピュータに近い機能や仕様を持った新たな製品カテゴリーが台頭し、組み込み用途に限らず趣味や教育など幅広い用途で利用される。
マイコンボード (ワンボードマイコン)
概ね名刺サイズかそれより小さな電子基板に、電子機器の制御などを行うマイクロコンピュータ(マイコン)としての機能を実装したもの。
CPUとしてパソコン向けなどで用いられる複雑で高性能なマイクロプロセッサではなくマイクロコントローラやSoC(System on Chip)、RISC系プロセッサなど軽量な製品を搭載し、RAMやI/Oインターフェース、プログラム記憶用の不揮発メモリなどコンピュータとしての動作に必要な一通りの機能を内蔵している。
LinuxやWindowsのような汎用のOSを用いず外部からバイナリプログラムを転送して直接実行したり、リアルタイムOSなど組み込みシステム用のソフトウェア環境を用いることが多い。外部との通信もGPIOやSPI、I2Cなどシリアルインターフェースが主体で、画面出力やネットワークインターフェースなどは無いことが多い。
半導体製品の評価ボードとして使用したり、電子機器や機械などの制御用として内蔵する組み込みシステムとして利用されることが多い。組み込み用途の製品ではシングルボードコンピュータ(SBC)との区別は曖昧で、似たような製品でもマイコンボードと呼ばれたりSBCと呼ばれたりする。
1970年代には、まな板くらいの大きさの(現代から見れば大きめな)ワンボード型コンピュータが最初期の個人用小型コンピュータとして人気を博したこともあるが、程無くより複雑な構成のマイコン、パソコンに発展していった。近年では電子工作などの制御用ボードとして「Arduino」(アルデュイーノ)などのオープンな仕様の製品が再び注目を集め、産業用だけでなく趣味や教育などの分野で利用されている。