DTMF 【Dual-Tone Multi-Frequency】 トーン信号 / トーンダイヤル / プッシュ音 / プッシュ信号
概要
DTMF(Dual-Tone Multi-Frequency)とは、電話回線などで信号を伝達する方式の一つで、一つ一つの符号(数字など)に固有の高さの音を対応付け、伝達したい符号に対応する信号音を回線に送出する方式。電話機から繋ぎたい相手の電話番号を電話局の交換機に伝達したり、接続先の自動応答装置などに情報を伝達する手段として広く普及している。電話機のボタンを押して番号・記号を指定することから、従来の文字盤を回転させるダイヤル式と対比して「プッシュ式」(プッシュホン)とも呼ばれる。
DTMFでは、高音と低音についてそれぞれ4種類ずつ特定の周波数が定められており、高音から一つ、低音から一つを選択して同時に発出して和音とすることで、16種類(4×4)の符号を表現することができる。これにより、「0」から「9」までの数字、記号「*」「#」、「A」から「D」までのアルファベットを伝達できる。
高音の周波数は1209Hz、1336Hz、1477Hz、1633Hz、低音の周波数は697Hz、770Hz、852Hz、941Hzである。例えば、697Hzの低音と1209Hzの高音の組み合わせは「1」を表す。これらはすべて可聴音であり、電話機が鳴らしたものでなくても楽器や声でこの周波数の組み合わせを再現すれば接続先に符号を伝達することができる。
(2024.1.24更新)