NOR 【Not OR】 否定論理和

概要

NOR(Not OR)とは、論理演算の一つで、二つの命題のいずれも偽のときに真となり、それ以外のときは偽となるもの。論理回路や2進数の数値によるNORは、二つの入力が0のときのみ出力が1となり、いずれか一方あるいは両方が1のときは0となる。論理和(OR)の結果を否定(NOT)したものと同値

三入力以上の場合は、まず二つを選んでNORを取り、その結果と残りの中から一つを選んでNORを取り、という手順を繰り返すことで結果を得ることができ、すべての入力が偽(または0)のときのみ出力が真(または1)となり、いずれかの入力が真(または1)の場合には偽(または0)となる。

論理学では記号「↓」を用いて「P↓Q」のように表記する。電子工学(論理回路)では論理和(OR)の記号「+」と否定(NOT)の記号「¯」(上線)を組み合わせて「P+Q」のように表記することが多い。

NOR演算を行う論理回路を「否定論理和演算回路」「NOR演算回路」「NORゲート」などと呼ぶ。AND回路OR回路NOT回路、およびこれらを組み合わせた任意の回路は複数のNAND回路の組み合わせによって実現できる「機能的完全性」(functional completeness)という性質がある。

フラッシュメモリの実装方式には、記憶素子をNOR回路によって構成する「NOR型フラッシュメモリ」と、NAND回路排他的論理積)によって構成する「NAND型フラッシュメモリ」がある。文脈によってはNOR型フラッシュメモリを指して「NOR」と略す場合もある。

(2024.1.11更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。