仮数 【significand】 coefficient / mantissa
浮動小数点数はコンピュータで数(実数)を表す際によく用いられる表現形式で、実数部分と小数部分に割り当てる桁数をある範囲で任意に変動させることができる。数自体の大きさによらず常に同じ精度で数値を表現することができる。
浮動小数点表現では、数を「仮数×基数指数」という形式で表現する。分かりやすさのため仮数を十進数、基数を10とすると、例えば「573.765」という数は「5.73765×102>という形で表すことができる。仮数は「5.73765」と指数「2」となる。
仮数における小数点の位置はどこでもよく、表現形式の規約などで決めておく必要がある。先の例は仮数を整数で表すことも可能で、その場合は「573765×10-3」という表現になり、仮数は「573765」、指数「-3」となる。
コンピュータ上ではすべての情報を「0」と「1」の組み合わせで表すデジタルデータを用いる関係上、仮数も指数も2進数で表し、基数にも2を用いることが多い。浮動小数点数の形式を定めた標準規格のIEEE 754では基数2の形式と基数10の形式が用意されている。
(2022.6.19更新)