式 【expression】
数学では数や文字、演算記号などの組み合わせを数式(mathematical expression)というが、プログラミングでも同じように、リテラル(コード中に直に記された値)や変数、関数呼び出し、演算子などを組み合わせた表現のことを式という。
記された演算などを実際の値を用いて実施(これを「評価」という)すると、一つの値が得られる。式の持つ値は、リテラルや変数の持つ値と同じように、変数に代入したり、関数の引数として渡したりすることができる。
言語によって式に使用できる演算子の種類や機能、優先順位(結合順位)が決まっている。多くの言語では数式と同じように加算(+)、減算(-)、乗算(*)、除算(/)の演算記号を使い、剰余やべき乗などの演算記号が用意されている言語もある。他にも、言語によって論理演算子やビット演算子、条件演算子、代入演算子など様々な演算子がある。
数式では乗除算は加減算に優先するといった結合順が決まっているが、プログラミングでも言語仕様によって細かな順位が決まっている。数式と同じように括弧で囲んで (x+1)*y のように優先順位を明示できるが、入れ子にする際に括弧の種類を使い分けることはせず、((x+1)*y+1)/z のように丸括弧だけで何重にも囲むのが一般的である。
一方、プログラムの構成単位のうち、手続きや命令、宣言、実行制御などを行うものを「文」(statement:ステートメント)という。式は必ず値を持つが、文は値を持たない(か、持つとは限らない)。言語によっては、すべての構文が式となっている(必ず値を持つ)ものや、文と式の区別が曖昧なものもある。
(2022.12.17更新)